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クローバーのそよ風[70]

こんにちは!「半沢直樹」を見てスカッとストレス解消している代表のヒグチです。

          

毎年、夏休み明けは不登校の相談が増える時期である。どうしたら学校に戻ってくれるか?その答えを探し求める親たち。

しかし、学校に戻ることは結果論であり、戻すことを目的にしているうちは、子も親も苦しいままではないだろうかと思う。

 

私たちのフリースペースなどに時々顔を出してくれる女の子。普段 彼女は自宅で学習に取り組んだり、本を読んだりして過ごしている。大好きな読書にとことん時間を費やすことで、そのうちに見えてくるものがあるだろうと私は思っている。本屋さん?出版社かな?小説家かな?本の中で出会った何かに惹かれるかもしれない。未来の自分を思い描くことが出来たとき、その実現のためにどうしたらいいか考え始め、新たな一歩を踏み出すに違いない。それは結果的に学校に戻ることかもしれないし、戻らない道をあえて選択することかもしれない。興味を持った専門的な学びの道に進むかもしれないし、そのための資金を稼ぐためにアルバイトを始めるかもしれない。

 

長い人生、ほんの数年、学校という場での学びをお休みして、じっくりゆっくり自分の人生について悩んだり、考えたりするサナギの時間もあっていいと思う。親がそのサナギを無理やり開けて覗くようなことをしなければ、然るべきときに自分で飛び立つのだから。

彼女の母親は安心して悩める環境を守っている。子どもの力を信じてどんと構えている。学校に代わる学びの場(学習だけでなく人との関わりや様々な体験の機会)の情報を集めて、それらを活用しながら親子で楽しむ姿に、私もたくさんのことを教えてもらっている。

 

残念なことは、山形県内に学校以外の多様な学びの場が少ないこと。県はどのように子どもたちの多様な学びの道をつくって権利を保障し、責任を果たしていくのか。

たくさんの居場所があって、自分に合ったところを選んで通うことができるなら、学校に行かないことのデメリットなどなくなる。

 

つい先日、山形県で初めて官民一体で子どもたちを支援しようと「不登校児童生徒の自立支援ネットワーク構築検討会議」が開かれた。

子どもが置かれている家庭の事情もさまざまで、ひとりひとりに合わせた多様な関わり方が大切になってきている中、私もその委員の一人として、諦めずに現場からの声を上げ続けていきたいと思う。