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クローバーのそよ風 [65]

花粉症で鼻詰まりの樋口です💦

ついに山形県でも新型コロナウイルスの感染者が出てしまいましたね。気を引き締めて、拡散防止のための対策をしながら活動をしていかねばと思っています。人はもともと先が見えないことに不安になるものです。買い占めなど何らかの行動を起こすことで、その不安から逃れようとしているのかもしれません。何が正しくて、何が間違っているか、情報をただ鵜呑みにするのではなく、しっかりファクトチェック(事実確認)されたものを選んで、冷静に淡々と日々を過ごしたいと思っております。では、今月も長~い独り言にお付き合いくださいませ。

 

 1969年に東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた三島由紀夫と東大全共闘との討論会のドキュメンタリー映画 『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』を見た。頭脳明晰な方々の議論についてゆけず、しばしば私は置いていかれた。

 

感じたことは、考え方や価値観が違う相手がなぜそう思うのかということに耳を傾けることで、自分の言葉が磨かれていくこと。その人の表層的なところばかりみて、批判や排除するのではなく、対話して違いを明らかにしあうこと、見ている方向を確認しあうことも、とても大切なことだということ。映画の中で、三島との過去の討論を振り返った芥正彦が「媒体として言葉が力を持っていた時代の最後」と語っていた。今は言葉が力を持っていないということか…。まさに、いわば、その上において、などと意味のない言葉を繰り返し、答えをはぐらかし、話をすり替えることばかりのわが国のトップの言葉を毎日のように耳にしていれば、そう思いたくもなる。

 

「私の雇用主は日本国民なんですよ。日本国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」と話していたという近畿財務局の赤木さんは、森友問題で文書改ざんを指示・強要され心身を病み自ら命を絶った。関連した人はみな不起訴(その後は軒並み出世)。改ざんが確定している案件を起訴に持ち込めない政権とズブズブの検察。何も明らかにされない中「財務省が真実に反する虚偽の答弁を貫いている。最後は下部がしっぽを切られる。」など改ざんの経緯が克明に綴られた痛切な手記が赤木夫人によって世に出された。命と引き換えに残した赤木さんの言葉に私たちが力を持たせなくてどうするのだ。森友再調査を願うばかりである。

 

新型コロナウイルスの対策にしても何にしても、この国の隠ぺい・改ざん体質という病を何とかしないことには…。

自分の立場を守るため、人の立場を脅かさないためなら、どんなことにも目をつむってしまうという社会的関係性を優先する行為は社会を破壊する。しかし、今 それが社会を覆ってしまっていることが問題の根源なのではないだろうか。